こんにちは。totです。
今日は2017年10月25日に実施されると想定されているビットコインのハードフォークについて説明したいと思います。
ハードフォークとは?
仮想通貨の技術に使われているブロックチェーン技術は、その技術の変遷とともに分裂するという自体が生じる。これをフォークという。フォークには主に2つの種別にわかれる。
- ソフトフォーク
ソフトフォークとは、ブロックチェーンの過去の記録を踏襲した形で分裂することを言う。 - ハードフォーク
一方のハードフォークは過去のブロックチェーンの記録とは切り離した形(互換性がない形)にて分裂することを指す。これによって、新たな仮想通貨が生まれる。
なぜ、こうしたフォークが発生するのだろうか。それは主にブロックチェーンのスケーラビリティに関する問題とされている。特にビットコインに使われているブロックチェーンの技術は、そのブロックの最大容量が1MBを上限とされている。
すなわち、それを上回ることができないのである。しかし、取引量や取扱高が増えるに従って、伸びてくるそのブロックの容量はどうしてもその規模に応じて容量が増えてしまう。
こうしたスケーラビリティの問題を解決しようと様々なエンジニアが提案をするものの、それを支持するもの、または拒否するものが現れ、意見がわかれていくのである。
ビットコインは採掘(マイニング)によって報酬を得ることができる仕組みになっており、もしスケーラビリティを解決しようとする技術が、自分たちのこれまでの採掘(マイニング)に不利に働くようなものだったとするならば、それに反対するのは当然のことである。
これまでのハードフォークについて
ビットコインのハードフォークと言うと、2017年8月に起こったビットコインキャッシュを思い浮かべる人が多いかと思うが、これまでビットコインは数回に渡ってこのスケーラビリティの問題を乗り越えてきている*1。
- ビットコインXT
- ビットコインクラシック
- ビットコイン・アンリミテッド
- ビットコインキャッシュ
仮想通貨とくにビットコインにおけるスケーラビリティの問題は非常に奥が深く、技術的な用語も多いため、なかなか理解するのは難しいと思いますので、興味がある人のみ深掘りしてみると良いでしょう。
ただし、この分岐が発生する時には、マーケットが動くことが多いので、どういった内容なのかについては少しでも目を通すようにすると良いでしょう。
実際、前回のビットコインキャッシュのハードフォークが実施された2017年8月1日前後の相場は、312,605円からスタートしその日の朝5時には332,900円まで上昇(+10%超)、その後急激に価格を下げ、その日の23時には292,158円まで下がるという乱高下を見せた。
また前回のビットコインキャッシュのハードフォークの際は、それぞれが持っていたビットコインの量と同量のビットコインキャッシュが全員に付与された。
そのビットコインキャッシュが一時期8万円まで値が上がったため、例えば、1BTCを保持していた人は
1BTC(約30万)+1BTH(約8万)
と1日にして8万円の仮想通貨を手にすることができたのである。
そうした、期待もあって、2017年10月25日のビットコインゴールドのハードフォークでも「同等のコインがもらえる…」と期待する人がビットコインの保持に流れているため、ビットコインの相場があがっていると考えられている。
ビットコインのハードフォークにおける各社の対応について
2017年10月25日にまた新たなハードフォークが実施される予定である。これによりビットコインゴールドという新たな仮想通貨が誕生することになるようです。今回のビットコインゴールドへの分岐に関しては、各仮想通貨取引所においてもその対応が異なるようで、皆さんが持っている仮想通貨がどの取引所のものかによって、ビットコインゴールドを付与されるか付与されないかが決定します。
現時点で各社がどのような対応を行う予定なのかについてまとめてみました。
bitFlyerの対応
bitFlyerでは、以下の通り、ビットコインを保有する人に対して、同量のビットコインゴールドが付与される予定です。
2017 年 10 月 25 日に Bitcoin Gold(以下、「BTG」)によるビットコインのブロックチェーン分岐(以下、「BTG 分岐」)が予定されています。当社として下記の対応*1を予定しておりますのでお知らせします。
・当社は、BTG 分岐前にお客様がbitFlyer アカウントで保有されていたビットコイン現物の数量と同量の BTG をお客様に付与*2 します。 BTG 分岐が恒久的であり、お客様の資産保護等の観点においても問題が無いと当社が判断した場合、お客様はビットコイン、及び BTG 両方の資産を持つことになります。
・BTG の付与に伴い、BTG の売買サービス、お預入・ご送付サービスの提供を開始する予定です。
・BTG 分岐前後においてサービスの停止は予定しておりません。全てのサービスが通常通りご利用いただけます。
ただし、ハードフォークが行われたその日には実施されることはなく、
2017年10月25日:21:00頃時点でのビットコインの現物数量に応じてBTG(ビットコインゴールドの付与数を決定)
2017年11月01日以降:ビットコインゴールドが正常に稼働し、このハードフォークが恒久的なものであり、セキュリティの観点からも問題ないとbitFlyer 社が判断した場合、上記のビットコインゴールドが付与される。
2017年11月01日以降:(状況を鑑みながら)ビットコインゴールドのbitFlyer 内での取り扱いの有無を決定する。
Coinchekの対応
Coincheck社に関してもbitFlyer同様に分岐に伴い、ビットコインゴールドを付与する予定とのことです。
このたびのBitcoin Goldに係る分岐に際し、Coincheck ではBitcoin Goldの付与を行う予定です。しかしながら、以下のような事象が発生し、弊社にてお客様の資産の保護が困難と判断される場合やサービスの安定した提供が困難と判断される場合においては、Bitcoin Goldの付与を行わない可能性がございます。
- Replay attackに対する対策が不十分であると確認された場合
- マイナーが十分に集まらず、ブロックが安定的に生成されない場合
- 何らかの脆弱性が発覚しそれに対する対策が行われない場合
- その他、弊社において付与等の取り扱いが不適切と判断される場合等
なお、Coincheck に関しては、ビットコインゴールドの付与の算出式が若干複雑になっておりますのでご注意ください。
※通常の取引(信用取引を除く)を行っているだけの方は、原則所有するビットコインと同量のビットコインゴールドを付与されます。
信用取引を行っている場合等については、付与係数といった係数がかけられて与えられるようですので、詳細は以下をご確認ください。
Zaifの対応
Zaifを運営するテックビューロの方針は、現時点ではBTGの付与・入出金・取引は行わないとのことです。その理由として以下の3点をあげています。
- リプレイ攻撃に対する保護、対策が不十分である可能性がある
- マイナーが十分に集まらずにブロックが継続的かつ安定的に生成されない可能性がある
- 何らかの脆弱性があり、お客様資産の保全が確実ではない可能性がある
ただし、上記問題が全て解決した場合については、ハードフォーク時点のスナップショットを元にビットコインゴールドを付与する、とのことです。
すなわち、言い方は否定的ではありますが、上述のbitFlyer・Coincheckと基本方針は変わらない…ということになります。
また、付与される数量に関しても、他社と同様にその時のビットコインの数量と同等とのことです。
GMOコインの対応
GMOコインは、10月25日の分岐に伴うハードフォークについて、ビットコインゴールドを付与する予定となっています。ただし、現時点では、その後ビットコインゴールドについて、GMOコイン での取引所では取り扱わない予定とのことです。
なお、このハードフォークの実施に伴い、一時ビットコインの受け入れを停止するとのことです。
下記のとおりビットコインの受入及び引出の受付を一時停止いたします。
(受付停止日時)2017年10月25日 20:00頃
※分岐が発生する時間によって前後することがございます。
※上記を除いて通常どおりサービスをご提供させていただく予定ですが、流動性の状況等鑑みサービスを停止させていただく場合がございますので、ご了承ください。
(受付再開日時)未定
QUOINEX(コインエクスチェンジ)の対応
QUOINEXでは、ビットコインゴールドへのハードフォークに伴い、2017年10月25日に一時ビットコインの取り扱いを停止することを発表しています。ただし、何時から停止するのかについては未だ不明となっています。
また、岐で発生するビットコインゴールドについて、分岐後すぐにはサポートせず、お客様への付与も行わない予定とのことです。
ビットコインのハードフォークに伴うビットコインゴールドに対する各社の対応はさまざまなです。もし、既に取引所に登録して仮想通貨をお持ちの方はぜひご自身の取引所の状況を確認するようにしてください。