匿名通貨とは?コインチェック社が金融庁に仮想通貨交換業の認可をもらえなかった要因のひとつ?

こんにちは。totです。

 

 

 

コインチェック社の仮想通貨交換業としての認可

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コインチェック社の不正アクセスによる約580億にも及ぶ仮想通貨NEMの消失事件が発生し、コインチェック社が金融庁から仮想通貨交換業としての認可を得ていない「みなし業者」であるということが世間にも広まりました。

 

そして金融庁から仮想通貨交換業としての認可が取れていないひとつの要因としてコインチェック社が「匿名通貨」を扱っているからではないか…という憶測もあがっています。

 

※コインチェック社への業務改善命令の際、金融庁は匿名通貨に関しては言及していません。ただし、マネーロンダリングの観点も述べているため、少なくとも要因のひとつには入っているのではないかと推察されます。

 

 

では、この「匿名通貨」とはいったい何なのだろうか?

 

 

 

コインチェック社が取り扱う匿名通貨とは?

匿名通貨は、”匿名性暗号通貨”という名称が正しい言い方のようです。

 

匿名暗号通貨とは…

 匿名性暗号通貨とは、送信者、受信者共に匿名で取引を行う事が出来る暗号通貨(仮想通貨)の事を指します。

 よくビットコインなどは「マネーロンダリングに使用される」と批判される事がありますが、ビットコインはブロックチェーン上にどのアドレスからどのアドレスへ送金されたかの情報が全て残っています(個人情報の入力無しで送金も可能ではありますが)。
 そのため、アドレスと個人情報が紐づけば、その人の全ての取引情報が全てわかってしまうのです。

 この取引情報を非公開にし、暗号通貨の特性はそのままに、通貨として利用できるように作られたものが「匿名性暗号通貨」と呼ばれています。

 

kasegeru.blog.jp

 

 

匿名性暗号通貨には、それぞれメリットデメリットがあります。

 

匿名性暗号通貨(匿名通貨)のメリット

匿名性暗号通貨(匿名通貨)の最大のメリットはプライバシーの保護です。匿名通貨以外の仮想通貨は取引所などで取引を行うと、そのアドレスと個人情報が紐付いてしまい、そのやり取りなどが全て見えてしまう可能性があります。

しかし、匿名通貨を使うことによって、この部分が匿名化されるため、そうしたリスクが軽減されるというメリットがあります。

 

 

匿名性暗号通貨(匿名通貨)のデメリット

匿名性暗号通貨(匿名通貨)のデメリットはメリットと反対ですが、匿名化されているがゆえにそれを利用してマネーロンダリングに利用したり、脱税に利用する危険性が出てきます。取引記録が外に漏れないということをうまく活用して、良からぬ使い方をされるかもしれません。

 

 

コインチェック社はこの”匿名性暗号通貨”(匿名通貨)を複数、仮想通貨取引所として扱っているのです。

 

コインチェック者が取り扱っている匿名通貨は以下の3つです。

  • Monero(モネロ)
  • Zcash(ジーキャッシュ)
  • Dash(ダッシュ)

 

コインチェック社が扱っている匿名通貨Monero・Zcash・Dashとは?

コインチェック社が取り扱っている匿名性暗号通貨は3種類あります。それぞれについてどんな特徴があるか見ていきましょう。

 

匿名通貨:Monero(モネロ)とは

 

 

 

www.nikkei.com

 

 

匿名通貨:Zcash(ジーキャッシュ)とは

 

 

Zcash(ジーキャッシュ)は2016年10月28日に使用が開始された比較的新しい仮想通貨である。

 

Zcash公式ページhttps://z.cash/

Zcash(ジーキャッシュ)は「ゼロ知識証明」という特徴を持ちます。

ゼロ知識証明とは…

暗号学において、ゼロ知識証明(ぜろちしきしょうめい、zero-knowledge proof)とは、ある人が他の人に、自分の持っている(通常、数学的な)命題が真であることを伝えるのに、真であること以外の何の知識も伝えることなく証明できるようなやりとりの手法である。ゼロ知識対話証明(ZKIP)とも呼ばれる。
出典:Wikipedia

 

この説明では非常にわかりにくいので、Wikipediaに掲載されていたゼロ知識証明を理解するための「洞窟の問題」を掲載します。

(文章が長いので、理解できた方は先に進んでください)

 

 

【ゼロ知識証明における「洞窟問題」】

まず、下記の図を見てください。ここにPさんとVさんがいたとします。Pさんは女性の絵の人物(=証明者)でVさんは男性の絵の人物(=検証者)だとします。

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Pさんが、魔法の扉を開くための合言葉を手に入れたとする。その魔法の扉は、ある洞窟の一番奥にあり、そこへ至る経路はAとBの2つがあって、合言葉で魔法の扉を開くとAからB、或いはその反対へ移動できる。

Vさんはお金を払ってでも合言葉が知りたいが、Pさんが本当の合言葉を知っていると確認できるまでは払いたくない。Pさんは教えてもいいが、お金をもらうまでは教えたくない。そこで2人は、合言葉そのものは教えることなく、正しい合言葉を知っていることだけ証明するために以下の手順を取る。

まず、Vさんは洞窟の外で待ち、Pさんだけ入る。PさんはAかBどちらかの分かれ道をランダムに選んで奥に入る。次にVさんは分かれ道の入り口まで行き、どちらかの道をランダムに選ぶ。そしてPさんに、ランダムに選んだその道から出てきてほしいと大声で伝える。ここで、VさんはPさんがどちらから入ったのかは知らないという点に留意する。

  • もし、Pさんが合言葉を知っている場合
    Vさんの選んだ道から出てくるのは簡単である。自分が入った道を選ばれたら、そのまま戻ってくれば良い。もし反対側を選ばれたなら、合言葉で魔法の扉を開けて反対の道から出てくれば良い。

  • もし、Pさんが合言葉を知らない場合
    Pさんは入った道から出てくることしかできない。Vさんがランダムに出てくるべき道を選ぶので、Pさんがリクエストに応えられるのは50%の確率である。2人がこの試行を何度も繰り返せば、Pさんがすべてのリクエストに応えるのはほとんど不可能である。例えば20回繰り返したら、全てに応えられる可能性は約0.0001%となる。

よって、Pさんが複数回のリクエストに全て応えられたなら、VさんはPさんが確かに合言葉を知っていると納得できる。

この例だと、そんな複雑な手続きをせずにVさんがPさんに「片方の道から入って反対の道から戻ってこい」とリクエストするだけで証明ができるようにも思えるが、そうすると、Pさんの合言葉がVさんに盗まれる可能性がある。つまり、VさんがPさんの跡をつけて合言葉を盗み聞きすることができる。VさんがPさんを追跡できないようにすることが、露出する情報を最小限にするために重要な点である。

 

 

 

----洞窟問題の説明はここまで-----

 

 

 

 

 

 

匿名通貨:Dash(ダッシュ)とは

 

 

Dash(ダッシュ)とは2014年1月に使用が開始された仮想通貨でEvan Duffieldが中心となって開発された。2018年1月末現在、時価総額は$5.95 Bほどで全体の順位は12位。

 

 

DASH公式ページhttps://www.dash.org/ 

 

この動画、見ていただければわかりますが、日本語で解説していますが、なんとなく聞き取りづらい感じがします。

おそらく自動翻訳か何かで日本語にしたものなのでしょう。

 

DASHの特徴は大きくわけて2つ

  1. 匿名性が高い
  2. 送金スピードが速い

という点です。

 

匿名性が高いという点についてですが、DASHはプライベートセンド(PrivateSend / 2016年6月まではダークセンド(DarkSend)と言われていた)という方式を取ることによって、匿名性を高めている。送信者同士の情報が中継地でシャッフルされ、それが受信者に届くような仕組み(コインミキシングという手法)になっているため、送信者のアドレスなどがトラッキングされないようになっています。

 

さらに、送金スピードに関してはインスタントセンド(InstantSend)という方式を取っている。処理に時間がかかる承認作業を行なうPC(マスターノード)を事前に決めることによって、承認スピードをあげることができているのである。これによって、ビットコインでは10分かかる承認作業が数秒単位で完了することができるのである。